2021年3月アーカイブ

スクリューアクセスホール!(トリオスケース)

2021年03月29日

大阪市の歯科技工所、デンタルバイオビジョンの辻です。
このコラムは主に口腔内スキャンのケースを扱っていく中での気付きや、設計のコツ、トラブル防止策、最新情報などをコラム形式でお伝えします。

前歯部のインプラントケースだと、スクリューアクセスホールが唇側や切縁に位置してしまうので、セメントリテインデザインでホールを隠すようにしているケースが多いですよね。
でも切縁よりも内側にホールが位置するのであれば、スクリューリテインの設計にした方が、構造がシンプルになりますし、メンテナンス時の着脱も容易になるので、できればそうしたいところです。
この判断がなかなか難しいケースもあって、かなりきわどいケースがコレです。ほんとにギリギリでホールを内側に設定できました。IOSでのインプラントケースではスキャンボディに紐づいたチタンベースのライブラリで設計するので、実際にデザインしてみないとわからないケースも多いのです。
前歯部でもモノリシックジルコニアで綺麗に仕上げることができるので、ホールがこの位置でも大丈夫ですが、唇側ポーセレンレイヤーにするとなるとちょっと無理だったかもしれません。
ミラーリング機能を使って、反対側同名歯と形態だけでなくテクスチャーまでそっくりにデザインできました。
やっぱりデジタルっていいですよね!

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マージンが・・・!(トリオスケース)

2021年03月15日

大阪市の歯科技工所、デンタルバイオビジョンの辻です。
このコラムは主に口腔内スキャンのケースを扱っていく中での気付きや、設計のコツ、トラブル防止策、最新情報などをコラム形式でお伝えします。

天然支台スキャンの時、支台部も含めて顎全体をスキャンした後、支台マージン部を全周トリミングしてから「高画質モード」に切り替えてマージン部を再度スキャンすると、比較的にマージンデータが鮮明になって、デンタルシステムでデザインする時のマージンライン設定がやりやすく(見えやすく)なるので、その方法をおすすめしています。
しかし、稀にトリミングして再撮影した部分と周りの部分とにズレが生じてしまうことがあります。
このケースがまさにそれです。カラー表示だとわかりにくいのですが、モノクロにするとマージン付近に筋がありますよね。さらに筋だけでなく穴も開いているのです。このまま補綴設計するのは、不適のリスクがかなり高いですし、そもそもデンタルシステムでデザインを進めようとしてもエラーが出てしまいます。
結果、このケースは患者さんに再来院していただき再撮影となってしまいました。
口腔内スキャンをおこなう際には、こういったデータのエラーが無いかも注意深く確認する必要があります。

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チタンベースが対合歯に当たっちゃう!(トリオスケース)

2021年03月01日

大阪市の歯科技工所、デンタルバイオビジョンの辻です。
このコラムは主に口腔内スキャンのケースを扱っていく中での気付きや、設計のコツ、トラブル防止策、最新情報などをコラム形式でお伝えします。

インプラントケースの場合は必ずスキャンボディを口腔内で接続してスキャンし、デザインソフト上ではそのスキャンボディと紐づいているライブラリからチタンベースが表示されるのですが、対合歯とのクリアランスが少なく、まれに対合歯にチタンベースが干渉してしまう場合があります。デジタルデータのみで設計している以上、このチタンベースの長さを調整するのは不可能です。(長さの異なるライブラリがあればそれで対応できますが・・)カスタムアバットメントの設計に変更すれば、たしかにアバットメントの高さは自由に変えられますが、これだとかなり低くすることになるので維持力が弱くなり上部構造が外れるリスクがありますし、外冠のクラウンの最低厚み不足で破断のリスクも高くなりそうです。よって、このような場合は対合歯を調整してスペース確保するしかないのです。
やはり、マテリアルも含めた補綴設計と対合や隣在歯の状況も踏まえた術前診断から3次元的なインプラント埋入計画がより重要になってきたと感じますね。

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