チタンベースが対合歯に当たっちゃう!(トリオスケース)

2021年03月01日

大阪市の歯科技工所、デンタルバイオビジョンの辻です。
このコラムは主に口腔内スキャンのケースを扱っていく中での気付きや、設計のコツ、トラブル防止策、最新情報などをコラム形式でお伝えします。

インプラントケースの場合は必ずスキャンボディを口腔内で接続してスキャンし、デザインソフト上ではそのスキャンボディと紐づいているライブラリからチタンベースが表示されるのですが、対合歯とのクリアランスが少なく、まれに対合歯にチタンベースが干渉してしまう場合があります。デジタルデータのみで設計している以上、このチタンベースの長さを調整するのは不可能です。(長さの異なるライブラリがあればそれで対応できますが・・)カスタムアバットメントの設計に変更すれば、たしかにアバットメントの高さは自由に変えられますが、これだとかなり低くすることになるので維持力が弱くなり上部構造が外れるリスクがありますし、外冠のクラウンの最低厚み不足で破断のリスクも高くなりそうです。よって、このような場合は対合歯を調整してスペース確保するしかないのです。
やはり、マテリアルも含めた補綴設計と対合や隣在歯の状況も踏まえた術前診断から3次元的なインプラント埋入計画がより重要になってきたと感じますね。

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