2021年2月アーカイブ

スマイルデザインの指標を参考に(トリオスケース)

2021年02月22日

大阪市の歯科技工所、デンタルバイオビジョンの辻です。
このコラムは主に口腔内スキャンのケースを扱っていく中での気付きや、設計のコツ、トラブル防止策、最新情報などをコラム形式でお伝えします。

今回は上顎5~5天然歯補綴、すべて単冠のフルカントゥアーデザインです。
このケースは海外のラボさんからのデザインのみの外注でした。同じソフト(デンタルシステム)とそのバージョンさえ合わせておけば、クラウド上で簡単にデータのやり取りがおこなえるので、世界中どこからでもデザインのみの外注を受けることができます。
(セメントスペース等のパラメータ数値も合わせておく必要があります)
事前にスマイルデザインでシミュレーションをした画像をお預りしていたので、そのイメージに限りなく近づくようにアライメントしました。スタディモデルデータが無くても、このような最終設計の指標となるような資料を頂いて、実際にそれを重ね合わせて確認しながらデザインできるので、正中や歯軸がくるってしまうことはほとんどありません。
このようにデジタルだと便利なツールがたくさんあるのでどんどん活用しましょう!

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スライド写真と重ね合わせたシミュレーション(トリオスケース)

2021年02月15日

大阪市の歯科技工所、デンタルバイオビジョンの辻です。
このコラムは主に口腔内スキャンのケースを扱っていく中での気付きや、設計のコツ、トラブル防止策、最新情報などをコラム形式でお伝えします。

上顎4前歯のラミネートべニアを想定したデジタルシミュレーションです。このような審美エリアのデザインをおこなう場合、必ずメジャーメントグリッドを表示させて、可及的に理想的な歯冠幅径と歯冠長を模索しながら左右をシンメトリーに形態を作っていきます。
そして、ペイシェントイメージの写真を取り込んで、口腔内スキャンデータと重ね合わせることで、2Dイメージではあるものの、顔全体とデザインした歯との調和を確認することができます。
ここまでおこなえば、審美改善を目的とした診断ケースは、実際のワックスアップをおこなうよりもデジタルデザインのみでほとんどその目的は達成されます。
もし、デザインを模型上で確認したければ、そのまま3Dプリンタで造形すればよいだけです。
まさに診断こそ、デジタルツールを活用した方が効果的とも言えるでしょう。
クラウンレングスを想定したシミュレーションにも視覚的効果は抜群ですね。
これに3Dフェイスデータを使えば3次元的に見せることができるのでいうことなしですね。
どんどんデジタルを使いこなしていきましょう!

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セメントリテイン上部構造製作時の注意点(トリオスケース)

2021年02月08日

大阪市の歯科技工所、デンタルバイオビジョンの辻です。
このコラムは主に口腔内スキャンのケースを扱っていく中での気付きや、設計のコツ、トラブル防止策、最新情報などをコラム形式でお伝えします。

左下臼歯部3ユニットブリッジです。カスタムアバットメント上にテレスコープタイプフルジルコニアでデザインしました。このような内外冠セメントリテインタイプのブリッジを口腔内スキャンデータで製作する場合、アバットメントと最終上部構造を同時に製作することは避けてます。(シングルスタンドケースは同時設計、同時セットはありです)
先ずはアバットメントとその上はプロビジョナルまでの製作とし、アバットメントを口腔内に装着してから支台として外冠製作用のスキャンをおこなっていただいています。
そして、アバットメントは完成後、口腔内装着前に単体でスキャンデータを保存しておき、口腔内のアバットメントデータとデンタルシステム上でマッチングさせることで、アバットメント間の位置関係は口腔内スキャンデータ、各々のアバットメントの適合は単体のスキャンデータベースで製作することができます。
ここで注意点が一つ、アバットメント単体をスキャンする際、必ずアクセスホールは完全に封鎖してからスキャンするようにしてください。なぜなら、デンタルシステム上でこのホールを塞ぐのは意外と難しく、かといって塞がないままデザインしてしまうと、クラウン内面にアクセスホールが印記されて、適合に悪影響を及ぼすからです。くれぐれもご注意を。

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