セメントリテイン上部構造製作時の注意点(トリオスケース)

2021年02月08日

大阪市の歯科技工所、デンタルバイオビジョンの辻です。
このコラムは主に口腔内スキャンのケースを扱っていく中での気付きや、設計のコツ、トラブル防止策、最新情報などをコラム形式でお伝えします。

左下臼歯部3ユニットブリッジです。カスタムアバットメント上にテレスコープタイプフルジルコニアでデザインしました。このような内外冠セメントリテインタイプのブリッジを口腔内スキャンデータで製作する場合、アバットメントと最終上部構造を同時に製作することは避けてます。(シングルスタンドケースは同時設計、同時セットはありです)
先ずはアバットメントとその上はプロビジョナルまでの製作とし、アバットメントを口腔内に装着してから支台として外冠製作用のスキャンをおこなっていただいています。
そして、アバットメントは完成後、口腔内装着前に単体でスキャンデータを保存しておき、口腔内のアバットメントデータとデンタルシステム上でマッチングさせることで、アバットメント間の位置関係は口腔内スキャンデータ、各々のアバットメントの適合は単体のスキャンデータベースで製作することができます。
ここで注意点が一つ、アバットメント単体をスキャンする際、必ずアクセスホールは完全に封鎖してからスキャンするようにしてください。なぜなら、デンタルシステム上でこのホールを塞ぐのは意外と難しく、かといって塞がないままデザインしてしまうと、クラウン内面にアクセスホールが印記されて、適合に悪影響を及ぼすからです。くれぐれもご注意を。

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